特定技能・留学生の就職支援


特定技能の在留資格による留学生の就職活動について

新しい在留資格「特定技能」の新設により、日本での就労を希望する外国人留学生にとって、これから就職活動が大きく変わります。

 

外国人留学生が大学等を卒業して、日本で就職する場合、在留資格の「留学」から、就労が可能な在留資格の変更が必要です。変更先の在留資格は、これまでは、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などの就労が認められる在留資格となりますが、これに加えて、新たに新設された在留資格「特定技能」(14分野)も、「留学」の在留資格からの変更が可能となりました。現時点では、実例はありませんが、今後は増加することが見込まれます。

 

「特定技能」の在留資格が許可されるためには、外国人留学生側の要件として、(1)年齢18歳以上、(2)日本語能力試験N4以上の語学力があること、(3)14分野別の技能測定試験の合格者であること、です。

 

(外国人を雇用する企業側の要件は、別ページのリンク先)

 

特定技能の在留資格が許可されれば、特定産業分野:14分野」業務内容とする企業に採用・従事することが可能となります。(就労できる期間は上限5年間)

 

例えば、技能実習制度がない「宿泊業」(フロント・接客など)、「外食業」(飲食物調理・接客・店舗管理など)※医療・福祉施設給食製造の作業は2018年11月16日に技能実習の職種に追加)を業務する企業への就職も「特定技能」の在留資格で就労することが可能となったところです。

特に、宿泊業では、技能実習制度がないため、国内の専門学校や大学の卒業生にとっては、新たな就職先として、検討が可能となったところです。具体的な業務としては、ホテルでの「フロント、企画・広報、接客等の宿泊サービスの提供」に従事することが可能です。




特定技能の技術測定試験の受験資格について

 留学の在留資格は、日本で教育を受けるために許可されたものです。大学・専門学校等を退学し学生の資格を失うと、「留学」の在留資格を取り消される(中退して、本来の活動を3ヶ月以上しない場合)ことになります(取消された場合には、本国に帰国となります)。退学・除籍の留学生は、「特定技能」の技術測定試験の受験資格がありませんので、要注意です。


就労が認められる在留資格と資格外活動の許可について

外国人が日本で就労する場合、就労制限のない「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4つの在留資格(この4つは「身分系の在留資格」と言われてます)は、就労の制限はなく、日本人と同様に単純労働的な仕事を含めて、どんな仕事にも就くことができます。


一方、就労が認められる在留資格においては、与えられた在留資格の範囲内での就労しか認められていません。例えば、大学理工系学部卒の外国人与えられる「技術・人文知識・国際業務」は、「理学・工学その他自然科学分野に属する技術・知識を必要とする業務」のみに許可されます。この外国人が、コンビニでのアルバイトや工場内の運搬・配送作業などの単純労働に就くことは認めていない在留資格となります。もし、こうした業務に就労していれば、資格外活動をしていることになり、不法就労となります。

 

また、「留学」や「家族滞在」などの在留資格は、「就労不可」で日本で働くことが認められていない在留資格です。ただし、入国管理局にあらかじめ申請して「資格外活動の許可」(留学生の場合には、大学等に在籍が大前提)を得ていれば、週28時間以内の範囲で、アルバイトをすることは可能です。(週28時間は残業を含んだ時間であり、超えると違法で、不法就労となります。)

※ 入管法では、在留資格で認められた範囲外の仕事をすることは「資格外活動」といい、禁止しています(入管法第19条 活動の範囲)


外国人留学生(日本国内の専門学校・大学)の就職活動に、これまでの在留資格技術・人文知識・国際業務」や「技能」など、これまで就労が認められる在留資格に加えて、2019年4月に新設された在留資格「特定技能」(就労可能な14分野)は、能測定試験と日本語能力試験に合格すれば、国内で就労可能なケースができました。

この在留資格「特定技能」には、技能実習からの在留資格の変更が多く見込まれるところですが、特定産業分野14分野において、技能制度のない「宿泊業」などは、国内在留の留学生等にとっては、新たな在留資格で、大学等で学んだ知識が活かせる就職先検討の一つとして、魅力が大きいところです。